BMW S 1000 R
サーキットでの究極性能はRRに譲る?
そもそも、そのポテンシャルはストリートで使い切れるようなものなのだろうか?
もっとキビキビと自由自在に走らせるために必要な性能とは何なのか?
S 1000 Rに与えられたのは低中回転よりのエンジン特性。
そしてアップライトなポジションにセットアップし、レーシングマシン譲りの絶対性能をストリートで使う喜びをライダーに提供してくれる。
※本ページに掲載しているS 1000 Rに関する特集は2020年末に執筆したものであり、現在販売中のモデルと一部仕様が異なります。
軽量コンパクトなボディワーク。
そしてどんなに熱い走りにも音を上げない優れたシャーシ。
必然的に選ばれたのがRRのパッケージングなのである。
しかし単純にRRからカウルを取り払い、アップライトなポジションを採用しただけではない。
エンジンは低回転域からパワフルそのもの。コンピューターのセットアップだけでなく、カムシャフト、バルブ、排気ポート等、専用設計とすることでトルクが増し、スロットル操作だけでマシンを生き生きとさせる。そして、RRほどではなくとも高回転まできっちり回る。
ストリートはおろか、サーキットであっても不足に感じることなどないと思われる動力性能。標準装備されるHP製チタンサイレンサーからのエギゾーストノートも、より低回転から味わいやすい設定である。
S 1000 Rのボディ
そんな過激な性能をしっかり支えてくれるのがトラクションコントロール、ABSプロをはじめとする数々の電子制御テクノロジーだ。
そして電子制御サスペンション、DDCによってその有り余るパワーや速度をしなやかに受け止めてくれる。
狂暴にも感じられるマシンを手懐けるもう一つの方法が、豊富なライディングモードである。レイン、ロード、ダイナミックにプラスして、ダイナミック・プロが選択可能。
アグレッシブにも、従順に手懐けるもの、ボタン一つで自由自在だ。
RRのDNAを受け継ぎつつ、ストリートの枠を超えたストリートファイター。
それがS 1000 Rなのである。