「TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW」が2022年の鈴鹿8耐とボルドール24時間へ参戦
2022年の全日本ロードレース選手権へフル参戦中の「TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW」が、2022年のEWC(世界耐久選手権)の鈴鹿8時間耐久ロードレース(SSTクラス)とボルドール24時間耐久レース(EWCクラス)へM 1000 RRで参戦することを2022年5月13日に発表しました。
現在、全日本ロードレース選手権では最高峰クラスのJSB100へ星野知也選手が、ST1000クラスへは石塚 健選手がフル参戦していますが、EWCの2レースについては星野選手と石塚選手に加えて、全日本選手権のJSB1000クラスで豊富な経験を持つ中冨伸一選手を第3ライダーに起用します。中冨選手はJSB1000クラスにおいて星野選手と同様にDUNLOPタイヤを使用するライダーで、タイヤの特性を熟知していることもあり、チームとしては大きな戦力となるでしょう。
ベテランの星野選手と若手の石塚選手、そこへ経験豊富な中冨選手が加入したことにより、「TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW」は盤石の布陣でEWCへ挑戦します。また、鈴鹿8耐においてはSSTクラスでの2連覇の期待もかかっています。みなさまの応援をよろしくお願いします。
左から中冨選手、星野選手、石塚選手
●星野 知也選手のコメント
「今シーズンのFIM EWC世界耐久選手権鈴鹿8時間ロードレース、ボルドール24時間レースのライダーとして中冨伸一選手がチームに加わってくれた事を嬉しく思います。 中冨選手は常に日本のトップライダーであると共に、世界でも活躍したライダーですので、とても心強く思っています。 マシンやタイヤの事も良く分かっていますので、テストから一緒に走るのがとても楽しみです。鈴鹿8耐ではSSTクラス連覇を目指し、ボルドール24時間レースでは表彰台を目指して頑張りますので、応援宜しくお願い致します。」
●石塚 健選手のコメント
「鈴鹿8耐、ボルドール24時間の第3ライダーに中富選手が加わる事が決まりとても嬉しい気持ちです。今年の鈴鹿8耐SSTクラス連覇を目指す上でとても心強いですし、経験豊富なチームメイトの星野選手、中冨選手から色々な面で吸収させて頂き、必ず結果に残したいと思います。ボルドール24時間に関しては、チーム全員が初の経験となるので未知な部分が沢山ありますが、その分楽しみも多いです。しっかりと自身の仕事を果たし、レギュラーチームと戦いたいと思います。応援、よろしくお願い致します!」
●中冨 伸一選手コメント
「チームよりオファーを頂き、鈴鹿8耐とボルドール24時間に参戦する運びとなりました。自分のできる仕事をしっかりとこなし、チーム一丸となり鈴鹿8耐のSSTクラス2連覇、そしてボルドール24時間耐久に繋げていきたいと思います。24時間耐久は初の経験になりますが、今からワクワクしています。BMWに乗るのは初めてですが、とてもパワフルなマシンなので、これから乗るのがとても楽しみです!」
EWCレース情報
◆ 2022 FIM EWC 世界耐久選手権第3戦 第43回鈴鹿8時間耐久ロードレース
開催日時:2022年8月4日(木)~8月7日(日)11:30スタート/19:30ゴール
開催場所:鈴鹿サーキット(三重県)
参戦クラス:スーパーストッククラス(SSTクラス)
◆ 2022 FIM EWC 世界耐久選手権第4戦 ボルドール24時間耐久ロードレース
開催日時:2022年9月15日(木)~9月18日(日)
開催場所:ポール・リカールサーキット(フランス)
参戦クラス:EWCクラス
<チーム参戦体制>
チーム名:TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW
ライダー:第1ライダー/星野 知也(ほしの ともや)選手
第2ライダー/石塚 健(いしづか たけし)選手
第3ライダー/中冨 伸一(なかとみ しんいち)選手
マシン:BMW M 1000 RR
チームメカニック:高村 嘉寿
チーム監督:山下 祐
3年ぶりに開催された鈴鹿8耐でSSTクラス3位を獲得!
TONE RT SYNEDGE 4413 BMW チームの戦い
2022年8月4日(木)~8月7日(日)
世界的な感染症拡大を受けて、2019年のレースを最後に2020年と2021年の開催を見送ってきた鈴鹿8時間耐久ロードレース。日本はもちろん、世界中のレースファンが開催を待ち望んだ鈴鹿8耐が3年ぶりに鈴鹿サーキットに帰ってきました。
これまで全日本ロードレース選手権を含め、過去の鈴鹿8耐でもBMW Motorradのマシンで参戦し、好成績をおさめてきたTONE RT TONE RT SYNEDGE 4413 BMW。直近の2019年大会ではS 1000 RRを出走させてSST(スーパーストッククラス)で優勝を獲得しており、新型M 1000 RRでは初参戦となる今回のレースにも期待が高まっていました。さらに、2022年シーズンの全日本選手権でも鈴鹿8耐を見据えた活動を継続しながら、SSTクラス2連覇に向けてチーム体制を整えました。
TONE RT SYNEDGE 4413 BMW チームの戦い
TONE RT SYNEDGE 4413 BMW チームの戦い
2022年の鈴鹿8耐では、全日本ロードレース選手権の最高峰クラスJSB1000クラスを戦う星野知也選手をはじめ、同選手権のST1000クラスにフル参戦する石塚健選手、そして第3ライダーとして中冨伸一選手を招集した3人のライダーを揃えたチーム体制を敷きました。6月の公式テストを含め、決勝直前の公式テストまで幾度となくマシンを走らせてセットアップを続けてきました。
しかし鈴鹿8耐直前の7月、星野選手がトレーニング中に鎖骨を骨折するアクシデントに見舞われます。直後に手術をおこなってレースウィークを迎え何とかレースに出走できる状態にまで回復。そんな中で8月5日(金)には公式計時予選を迎えます。当日の天候は晴れ/雨という難しいコンディション。星野選手はSSTクラス5番手、石塚選手は自己ベストを更新してクラストップの好タイムを記録しました。しかし2回目の予選ではコースの一部で雨が降っていたこともあり、中冨選手のタイムは伸びず。しかし、ドライコンディションで好タイムをマークした星野・石塚選手の走りもあり、予選では総合17位・SSTクラスでは3位という結果となりました。
ただ、レインコンディションとなった夜間走行中、星野選手が転倒して肋骨を骨折してしまう波乱に見舞われます。ライダー3人体制でのレースに不安が残る中、翌日のフリー走行では2度に渡る赤旗中断によって満足に走れないまま決勝当日を迎えることになります。
そして迎えた8月7日(日)、鈴鹿8耐決勝レース当日の鈴鹿サーキットは快晴。まさに真夏日という中で午前11時半に決勝レースがスタートしました。総合17位、SSTクラス3位で迎えた3年ぶりの鈴鹿8耐。じつは午前中のフリー走行で前日に骨折した星野選手も出走しますが、痛みがひどく決勝の走行を断念。チームは石塚選手、中冨選手の2名で8時間を戦う選択をします。スタートライダーを務めたのは石塚選手で、オープニングラップは総合17位、SSTクラス3位でコントロールラインを通過。その直後にセーフティーカーの投入などの波乱やEWCクラスのマシンにパスされつつも、2分11秒台のタイムをコンスタントに刻みながら総合19位をキープして23周目でピットイン。
バトンタッチした中冨選手は安定した走りを続けますが、32周目に電装系トラブルのためにピットインを余儀なくされますが、6分半のピットインで修復を完了して再び灼熱のコースへ。ピットインでクラス10位まで下がったポジションを6位まで挽回して55周目で石塚選手へバトンタッチします。その後はSSTクラス4番手までポジションを上げて、クラス3位が射程圏内に収まる好位置につけます。そこからは78周目には中冨選手、101周目に石塚選手、126周目に中冨選手、149周目に石塚選手と、本来3人で走る予定だったレースを2人で走るタフなスティントが続きますが、両ライダーは安定したペースで周回しながらも、クラス3位獲得を目指して全力を尽くします。
レース終盤、185周を経過した時点で中冨選手が最後のピットイン。給油だけをこなして中冨選手はそのまま最後のスティントへ。その時点でSSTクラス4位だったチームは、47秒差で前を走るマシンを追いかけます。この最後のスティントで中冨選手は怒涛の追い上げを見せて、197周目についにクラス3位のマシンをパスしてSSTクラス3位へ浮上。そのまま午後7時半にゴールまで走り抜き、見事にSSTクラス3位を獲得しました。
本来目標としていたSSTクラス2連覇は果たせなかったものの、難しいレース展開のなかで安定した走りを終始キープできたことで見事完走を果たし、総合17位、SSTクラス3位を獲得しました。
応援いただいたみなさま、ありがとうございました。