BMWが世界に先駆けて導入したシステム。フロント/リアスプリングストラットの伸び側のダンピング調整、リアスプリングストラットのスプリングベースのプリロード調整、さらに、ばね定数と「硬さ」の調整も行う電子制御システムです。どの機能も、TFTカラーディスプレイのメニュー操作と合わせて、マルチコントローラーで簡単に操作できます。
制御をシンプルにし、不意の設定ミスを防ぐため、バイクの負荷状況(1名、1名+荷物、またはタンデム+荷物)を入力するだけで、後はシステムが対応するプリロードやばね定数を分析して自動設定してくれます。
さらに、ライディングの好みに応じて、「Sport」、「Normal」、「Comfort」の3モードから、運転に対するバイクの挙動を選択することもできます。電子制御ユニットが設定内容を分析して、最適なパラメーターで適切な減衰力を算出すると、モーターが作動してプリロードが設定されます。つまり合計9種類の設定オプションが用意されています。減衰力は小型ステップモーターによってダンパーで調整されます。
ばね定数に対するこれらのアジャストは、走行の安定性、操作性、および快適性のレベルをさらに上げるためにバイクをさまざまな負荷状況に応じて最適することを意味します。例えば、タンデムで荷物もあるという最大負荷がかかる状態でも、スポーティーな走りを維持する余裕があるということです。ばね定数の調整は、極端に負荷がかかる状態でも、底突きのリスクを大幅に減らすことにもなります。
走行中でも、ショックアブソーバー(ダンパー)設定を「Normal」、「Sport」、「Comfort」にボタン1つで変更できます。機能上と安全上の理由から、プリロード調整は、停車時にのみできます。ばね定数の修正には、ギア付きの電気モーターが用いられます。 ばね定数は、連結している2本のスプリングを使うことで変化します。つまり、エラストマー(Cellasto®)と、その下に取り付けられている従来のコイルばねとで圧縮時の力を吸収します。スチールスリーブ内に、半径方向外向きに膨らむエラストマーが取り付けられていて、その内側にあるアルミニウムスリーブが電動油圧によって動きます。この内側のスリーブの位置はエラストマーの内向きの膨らみに影響し、ばね定数が変化します。これには硬さの度合いが異なる2つのスプリングと同様の作用があります。内側のスリーブがスチールスプリングに当たるとエラストマーの機能が作用しなくなり、スチールスプリングのみが影響を受けます。内側のスリーブがさらに動くと、スチールスプリングベースまたはプリロードも修正できます。
これにより、通常の静止位置と走行時の形状が、あらゆる負荷状況下で最適に保たれます。ばね定数を110~160Nmという広範囲で追加調整することがESA IIの「Sport」、「Normal」、「Comfort」それぞれの設定拡張に貢献し、乗り心地が大幅に改善されます。 スプリングプリロードや緩衝特性を機械的に調整する従来の技術と比べると、シャーシとサスペンションを電子制御(ESA)するメリットは、シャーシコンポーネントすべてが常に即座に対応し、人為的なミスを防止できることにあります。また、面倒なツール操作に時間をかける必要がなくなり、ボタンを押すだけで数秒で調整できることもメリットと言えます。急ぎで二人乗りする場合や不意に路面状態が変わる状況でのライディングでも重宝します。
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