BMW R 1200 GSの2気筒フラットエンジン1200 cc(空/水冷式)。

ボアストローク比101:73は先代モデルと同じであるため、排気量も1,170 cm3そのままです。また、カムシャフトも先行モデルと同様に、水平配置です。以前は、吸排気を組み合わせたカムシャフトが必要とされていましたが、流れる方向をを水平から垂直に変えることで、吸排気専用のカムシャフトをもたらしました。

これらのカムシャフトはどちらも、以前のように、シリンダーの背後にあるシャフト内を動くチェーンによって(右エンジン側はバランサーシャフトによって、左エンジン側はクランクシャフトによって)動かされます。タイミングチェーンは、吸排気カムシャフトの間にある中間シャフトを動かします。その出力が対の平歯車によってカムシャフトに伝わります。遠心力によって制御される減圧装置は、排気カムシャフトのそれぞれにあります。これにより、エンジン始動性が向上します。その結果、スターターとバッテリーの重量を減らすことができます。

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動力伝達系の全体的な設計が非常に効率化されたことで、これまでに使用されていたラジアルバルブの配置が不要になりました。4つのバルブを、吸気側で8度、排気側で8度および10度と、互いに鋭角で配置したことで、最適な燃焼プロセスの重要な要素であるコンパクトな燃焼室形状が実現しました。燃焼室を修正し、ガイダンスと設計を大幅に改善したことで、圧縮比を先代モデルと比較して12.0:1から12.5:1に増やすことができました。燃焼プロセスと点火位置の最適化により、RON 95を標準燃料とした設計を維持しながら、ノックコントロールが不要になることを意味し、トルクポテンシャルが十分に活用されます。

乱流システム(バイパスによるエアインフィード)を使用することにより、最適な燃焼が確保され、複雑なツインプラグによる点火(ツインスパークイグニッション)は不要になりました。クランクシャフトのデザインも、全面的に見直されました。抗力作用を低減するために、メインベアリングの直径を以前の60mmから55mmに縮小しています。さらに、クランクシャフトのクランクピンが細くなり(クランクピンの直径は48 mmから50 mmに増えたにもかかわらず)、メインベアリングとガイドベアリングも細くなっています。これにより、全体的に、より軽量コンパクトでありながら、剛性は一段と高まっています。

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従来のフラットツインエンジンと同様に、バランサーシャフトが、再定義された不均衡質量と一体となってクランクシャフト速度で動き、新しい動力伝達系の望ましくない振動を排除しています。バランサーシャフトは中空の中間シャフトとして設計され、その中空内で、カップリングシャフトが同時に動きます。結果として、新しいドライブの速度レベルが、エンジン速度範囲の全体にわたって著しく高くなり、振動が著しく減り、高速走行時には特に、優れた快適性を確保します。それでもなお、典型的なフラットツインエンジンの基本的特性である頑丈さは保持されています。
また、出力とトルクがさらに高くなるように、バルブディスクの直径も再定義されています。それぞれが1.0 mmずつ大きくなり、吸気側が40mm、排気側が34mmになっています。バルブステムの直径は5.5 mmで維持しています。最適に定義された抗力作用により、速度レベルが高くなり、バルブスプリングが著しく短くなっています。
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