チューブとフォークブリッジはアルミ製で、圧力がかかったときに表面同士が完全に連動するようになっています。ばね下重量は、従来のフォークと同等です。このインナーチューブは、一般的な倒立式のインナーチューブよりも半径は小さいですが、重鋼材で製造されているため、重量は実質的に同じくらいで、場合によっては、従来のアルミ製またはマグネシウム製のフォークよりも重くなっていることもあります。アッパーチューブ内を通るロワーチューブのガイダンスが非常に長いことにメリットがあります。

例えば、BMW MotorradのF 800 GSモデルに採用されているマルゾッキ製倒立式フォークは、アルマイト仕上げアルミ製の固定フォークチューブと、マンガン合金鋼製チューブ(直径45mm)を使用しているため、負荷時でも敏感なレスポンスと最大限の安定性が備わっています。アウターチューブには、作用する曲げ応力がさらに強くなることから、さらに捻れ剛性が高く、直径が大きくなっていて、フォークブリッジがサポートします。オフロード走行に向いた設計です。テレスコピックフォークと同様に倒立式フォークも、コンプレッションやリバウンドの調整が可能です。

BMWのスーパースポーツモデルであるS 1000 RRでは、直径46 mmの太いアウターチューブの倒立式フォークが装備されます。この贅沢な形状により、従来の直径43 mmのフォークよりも、ハードブレーキング時の安定性が極めて高く、レスポンスも良好です。この倒立式フォークは、軽量なステアリングシャフトチューブによって、ステアリングヘッドに取り付けられています。このシャフトチューブは2つのアルミ製大型ボールベアリングと、重量が最適化された2つの鍛造アルミニウム製フォークブリッジでサポートされます。

インナーチューブの突き出しを使用して、フロントサスペンションの高さを調整できます。上限15mmの範囲で、最大5 mm下げたり、最大10mm上げたりできます。倒立式フォークには、カーブインサートが内側に取り付けられています。これは、プリロードとコンプレッション/リバウンド側について調整オプションがある独立した油圧ピストンシリンダーシステムです。フォークトラベルは全体で120 mm(+75mm / -45mm)です。スプリングプリロードやリバウンド/コンプレッション側のダンピングは、1~10段階で設定できます。「クリック」を数える必要はなく、その時の設定が常に適用されることを意味します。また、リバウンド側とコンプレッション側の設定も色分けされています。

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