1,649cc並列6気筒エンジン
6気筒のインラインエンジンは70年以上もの間、BMWの魅力的なエンジンテクノロジーの代名詞的存在でしたが、これまで、自動車にしか採用されていませんでした。個性豊かな2種類のツアラーのBMW K 1600 GTとBMW K 1600 GTLで、初めて6気筒インラインエンジンが採用されました。バイクの心臓部であるエンジンは、他のモデルでは感じられない至福の快感を求めて、究極の走り、最高に滑らかなフィーリング、余裕のエンジンパワーとトルク、洗練されたトラクション、比類のない排気音を達成したものです。
並列6気筒エンジンを搭載したBMW K 1600 GT。
BMWが新開発した排気量1,649 ccの並列6気筒エンジン。最高出力160PS/7,750rpm、最大トルク175Nm/5,250rpm。最大トルクの70%を1500 rpmで発生可能。心地よいクルージングとスポーティな走りを両立します。
このストレート6エンジンの重量は、オルタネーター、吸気システム、クラッチ、ギアボックスを含めても、僅か102.6 Kg。中空カムシャフトをはじめ、徹底した軽量化を行った結果、このクラスで最も軽量な並列6気筒エンジンとなりました。555mmのエンジン幅は、これまで存在していた最もコンパクトな並列6気筒エンジンよりも100mm程スリムです。比較的長いストロークで正方形に近いボアストローク比67.5:72mm (0.938)と、シリンダー間を僅か77mmと密着させたことで、幅を抑えた設計としています。また、電装補機類はクランクシャフトの背後、ギアボックスの上にできたスペースに設置されています。
K1300Sに搭載されていた4気筒エンジンと同様に、シリンダーバンクは前傾55度です。その結果、低重心となり、バランスのとれた重量配分になりました。ドライサンプ潤滑方式は、従来のオイルサンプを(ケース内から)無くして、オイルリザーバーを使っているため、エンジン高を抑えることができます。また、この傾きによってエンジンの真上に流線形の吸気システムを置くスペースも確保しています。
効率的な燃焼、低回転時の大トルク、フリクションの最小化により、時代に即した抜群の燃焼効率を備えた6気筒エンジンに仕上がりました。このエンジンは、4気筒エンジンに引け劣らないレベルのスポーツ性能も兼ね備えています。